LLE <短>
「……先輩」
胸の中から、くぐもった声で、先輩に呼びかける。
「ん?」
胸の中で聞く先輩の声は、どんな時よりも、優しい声をしていた。
その声に調子に乗ったあたしは、欲しくてたまらない言葉を、先輩にねだる。
「スキって、もっかい言って」
「……スキ」
素直に答えてくれる先輩に、もっと調子に乗るあたし。
「もっかい」
「もう言わない」
「……ねぇ、先輩」
「何?」
「お願い……」
「……ヤダ」
「先輩」
「なんだよ」
「あたしはスキだよ」
「知ってるって」
「先輩……」
「だから、なんだよ」
「鼻水ついた」
「――ゲッ!?」
先輩。
――ダイスキだよ。