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「あ〜、わかんないよ〜」



秋も終わりに差しかかり、部活も引退して、サッカーで大学推薦も決まった先輩と、

期末テストを控えたあたしたちは、一緒に勉強をしていた。



あたしたちは、あの日からずっと変わらない。

すっごいラブラブだと思う。



「アホ。こんなの覚えるだけだろ」



……多分。



「だってぇ、こんなの覚えきれないよー」

「普段からちゃんとやっておかないからだよ、アホ」



単語帳と睨めっこするあたしに、先輩は呆れた声を出す。

反論の余地もない、正しい意見に、あたしは口を尖らせた。



「ゔ〜……あ!」

「何だよ」

「じゃあ、先輩がスキって言ってくれたら頑張るー」

「アホ。とっととやれ」

「ぷー。でもあたし、先輩の“アホ”も結構スキだよ」

「アホ」

「スキぃ〜」

「アホなことばっか言ってないで、早く勉強しろよ」

「はぁい」



こんなやり取りでも、今だにあたしのドキドキは消えない。


シアワセで、シアワセで……

先輩といる時のあたしの頬は、四六時中、緩みっぱなしだ。


その代わり、勉強には集中できないけど。

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