LLE <短>
+C
――――――――――………
――――――………
「あ〜、わかんないよ〜」
秋も終わりに差しかかり、部活も引退して、サッカーで大学推薦も決まった先輩と、
期末テストを控えたあたしたちは、一緒に勉強をしていた。
あたしたちは、あの日からずっと変わらない。
すっごいラブラブだと思う。
「アホ。こんなの覚えるだけだろ」
……多分。
「だってぇ、こんなの覚えきれないよー」
「普段からちゃんとやっておかないからだよ、アホ」
単語帳と睨めっこするあたしに、先輩は呆れた声を出す。
反論の余地もない、正しい意見に、あたしは口を尖らせた。
「ゔ〜……あ!」
「何だよ」
「じゃあ、先輩がスキって言ってくれたら頑張るー」
「アホ。とっととやれ」
「ぷー。でもあたし、先輩の“アホ”も結構スキだよ」
「アホ」
「スキぃ〜」
「アホなことばっか言ってないで、早く勉強しろよ」
「はぁい」
こんなやり取りでも、今だにあたしのドキドキは消えない。
シアワセで、シアワセで……
先輩といる時のあたしの頬は、四六時中、緩みっぱなしだ。
その代わり、勉強には集中できないけど。