ラスト*スノー
俺があんなに無視していたのに………。
雪結は俺が閉じこめられたと知って、保育園から帰ってすぐ
物置の前に座り込んだ。
「雪結ちゃん、おやつ食べましょ?」
「お兄ちゃんは?」
「お兄ちゃんは悪いことをしたから、おやつは食べないのよ。」
「…………」
「雪結ちゃん?」
「…ゆきもたべない。」
そう言って、座り込んだと母さんが言っていた。
「母さんごめんなさい……。」
でも…………
俺は、学校であったことを全部母さんに話した。
「……………そうだったのね。……ごめんね疾風。」
母さんは俺を抱きしめて
「ありがとう…疾風。」
そう言った。
抱きしめられると、母さんのいい匂いがした。
「お兄ちゃん、よかったね。」
にっこり笑って雪結が言った。
「うん。」
俺は、恥ずかしくて……
小さな声で返事をした。