ラスト*スノー
病院のベッドの上で、
雪結はぼんやりと窓の外を見ていた。
「雪結。」
「あ、お兄ちゃん!いらっしゃい。」
「何、見てたんだ?」
「……雪。」
「雪?」
「そう、雪、降らないかなぁと思って……。」
「雪か。」
「うん。…雪、みてみたいなぁ。」
「そんなの、これから寒くなるんだから、何時だって見れるよ。」
「……うん。…そうだね。」
雪結はそう言って、小さく笑った。
雪結の様態が急変したのは
雪結の誕生日を祝った
次の日だった。