ラスト*スノー
「雪結、これ、俺から。」
俺は用意していた小さな箱を渡した。
「ありがとう!お兄ちゃん!……開けていい?」
「ああ。」
「なんだろうなぁ…………………えっ?」
中を見た雪結は驚いたように目を見開いた。
「……指輪だ……。」
「それ、ピンキーリングだよ。」
「…ピンキーリング?」
「そう、小指にはめるんだよ。」
「願いを叶えるそうだ。」
「そうなんだ?すごい!……ありがとうお兄ちゃん!」
「ああ。」
「……あたし、指輪なんて初めてだよ?………嬉しい。」
「実をいうと、俺も指輪あげるなんて初めてだよ。」
俺が照れたように言うと
雪結も、父さんも母さんも声をあげて笑った。