ラスト*スノー
その後、父さんと母さんは、まだ仕事かあるからと先に帰った。
「嬉しかったなぁ。」
雪結は腕にはめた時計と、小指の指輪を見ていた。
「………………。」
「…お兄ちゃん。」
「うん?」
「あたしね、願い事がふたつあるんだ。」
「……ふたつか。」
「うん。…たぶん、叶わないと思う。」
「でもかなってほしいな……」
「だから、これ、嬉しかったなぁ。」
ピンキーリングを触りながら言った。
「…………どんな願いなんだ?」
「…………。」
「雪結?」