ラスト*スノー
「お兄ちゃん?」
「………うん?」
「わたしね…」
「うん。」
「…元気になって、高校へ行って─お兄ちゃんみたいに夏樹さんみたいな親友つくって、」
「!?…おいおい、それは勘弁してくれよ?」
─夏樹みたいななんて、……それは、困る。
「クスッ……それから、大学へ行って─恋もいっぱいして…お嫁さんになって、子どもを産んで、お母さんになって…………」
「……………。」
「おばあちゃんになるのが、わたしの夢なの。」
「……………。」
「お兄ちゃん?」
「…何だよ、それ。……普通だな。」
俺はからかうようにそう言った。
そうでも言わなければ…泣いてしまいそうだった。
雪結の前で泣くなんて絶対ダメだ。
「普通がいいんだよ。」
「わかんないかなぁ?」
雪結は俺を見て、プクッとふくれっ面をした。
*