ラスト*スノー
「雪結……。」
耳元で囁いた俺の声に、雪結はうっすらと目を開いた。
「……お兄ちゃん。」
「雪結。」
「…わたし…ダメみたい。」
「!?」
「なんでかな……ちっとも苦しくないんだ……。」
「大丈夫だ……ダメなんて言うな!」
「うん……ありがとう。」
「……おばあちゃんになるんだろ?」
「……」
「…大人になって、結婚して、子ども産んで、……おばあちゃんになるんだろ?」
「……」
「そうだろ?」
「………普通だね。」
そう言って頬を少しあげて笑った。
「そうだよ?普通がいいんだろ?」
そう言って俺も、笑った。