チャットは運命 【実話】
メールをしてるだけで、
顔も見えない、声も聞こえない。
それなのに私の顔は自然と
笑顔になったんだ。
その後もずーっと話した。
「たくま」は本名で漢字は拓真。
名字は金子だそうだ。
そして、気付いたら朝だった。
「ん、今何時だろ?」
am06:02
学校に行く準備を始めるにはまだ
早かった。
たくまもまだ準備は始めないだろう
と、思いまだメールを続ける事にした。
【てかさ、鈴音て彼氏とかおるん?】
ドキッ。
私は学年で一番モテる男、
西崎 秀(ニシザキシュウ)と
付き合っていた。
もうすぐ半年になる。
クラスは違うが
ひがむ女子は少なくなかった。
無視られたり、避けられたり。
半年付き合っていてもまだ続く。
イライラしてきたー。
嫌がらせをされているのを知って
いながらも、人目を気にせず近寄っ
て来る秀にも少し嫌気がさしていた。
【いないよ~】
なんとなく〈いる〉と言いたく
なかった。
【本間!?かわいーのに!】
男の子に言われるのって慣れない。
【かわいくないし;たくまは?♪】
〈いない〉と言ってほしかった。
わかんないけどいてほしくなかった。
【おるで~めっちゃかわいいねん♪】