チャットは運命 【実話】
私達は教室から離れた集会室へ入った。
「どうしたの?」
私は恐る恐る尋ねる。
「どうしたのじゃないよ。
拓真ってこの前保健室で電話してた
ヤツだよね?」
「うん・・・」
「そんなテンション下げんなよ。
逆にこっちが不安になる・・・」
そんな、でも今笑ってたらそれはそれで
・・・キモい。
「でも普通の友達だから」
秀が直視出来ない。どうしよう。
余計妖しいよ。
「まさか、しつこくされてんの?」
「そんなんじゃないよ!」
あ、つい大きい声出しちゃった。
「なんで、そいつをかばうわけ?
なんか最近鈴音の態度が変なのには
気づいてたけど・・・そいつが原因なら
俺はそいつを許さないよ」
どうすれば良いんだろう・・・。
秀は私の異変に気づいてたんだ。
それほど私を心配してくれてたって事?
私が今大切にするべき人は誰?
「大丈夫だって・・・んっ――」
気づいたら秀の顔が目の前にあった。
突然重なった二人の唇。
「俺、不安だ・・・」
そんな切ない目で見ないでよ。
「私、秀が好きだよ。一番・・・大好き」
「本当に?」
「うん」
私は秀に抱きついた。
それしか出来なかった。
私の心の中には罪悪感、それしかない。
秀に言うべきなのかな。
でも、それでも秀が好き。
だけど、拓真も好き。
なに・・・この感情?
知らないよこんな気持ち。