チャットは運命 【実話】
拓真を想っているから、プリ撮る事を
拒んだんだ。
秀に嫌われたくないから必死に
言い訳を探したんだ。
私、卑怯だ・・・。でも
それは拓真も同じだよね?
私だけじゃない。
この世に二股してる人なんて沢山いる。
そこには愛がないから?
落書きを終えたプリクラを眺める。
〝6ヶ月記念涙サプライズ♪〟
おっきく書かれたその文字を私は
ただ眺める。それしか出来ない。
「鈴音!トイレいこ!男達はその辺で
待っててねぇ」
「え、ちょ」
沙綾に腕を引っ張られ私達はトイレへ
向かった。
「鈴音さ、何を隠してるの?」
うっ・・・。
「いや、別になんにも」
沙綾に隠し事なんかしたくない。
でも嫌われるかもって思ったら
やっぱり何も言えなくなった。
「なんで私に隠し事するの?鈴音が
私に何も言ってくれないことがすごく
悲しいんだけど・・・」
沙綾の悲しげな表情をこれ以上見たくない。
「沙綾には、隠し事したくない・・・でも
嫌われるのはもっと嫌なの」
私は目をそらした。
「なんで!?私が鈴音を嫌うとでも
思ってるの?うちらの友情ってそんな
もんじゃないじゃん!力になりたいよ」
沙綾・・・。
「あたしね」
「・・・うん」
私は沙綾に本当のことをすべて話した。