チャットは運命 【実話】
私、最低・・・。
言うなら早い方がいい。
わかってはいるんだ。
でも言えないよ。
好きだった、大好きだった。
秀のこと本気で愛してた。
「うぅー・・・」
しゃがみこむと、涙がこぼれた。
~♪
静かな廊下に着信音が響く。
画面を見るとそれは私の愛しい人。
「・・・はい」
「おっはー!見て外!
ホワイトクリスマスやで!
鈴音と一緒に見れたらなぁ♪」
拓真・・・バカじゃない?
こっちは東京だよ。
雪なんて降ってない。
「バカ・・・私達に、はね
距離があるんだよ・・・」
「鈴音?泣いてるん?」
泣いてなんかない!
そう言おうとした瞬間、誰かに
ケータイを奪われた。
「お前、俺が許さない。
鈴音ちゃん泣かすなよ。
いつもいつも辛い思いしてるの
気づいてやれてたか?
男なら女一人くらい守れよ!」
そう言って怒鳴ったのは
陸だった。
なんでここにいるの?
もうHR始まってるのに。
陸と拓真は言い合いになってる
ようだった。
“僕には凛だっておんねん!”
そう聞こえたような気がする。
耳を塞いでしゃがみこむと、
後ろから誰かがそっと肩を
抱いてくれた。