チャットは運命 【実話】

放送室は狭くてたくさん人は入れない。

委員の2人でいっぱいだ。

4時間目が終わってすぐに委員の人は

仕事をしなくちゃいけないから友達に

放送室まで給食を持ってきてもらう。

私は沙綾に頼んである。

コンコン。

「はいはーい」

沙綾だと思い私はテキトーに返事をした。

しかし、開いたドアの先には

実梨ちゃんが立っていた。

「なんで?」

口を開いたのは西崎秀。

「俺、男に頼んだと思うんだけど」

一瞬実梨ちゃんを見たけど、すぐまた

機械に目をうつして尋ねた。

「変わってもらったの。私が

運びたかったから」

はっきりとそう言った。

勇気あるなぁ、と思ったけど。

なんとなく何も言わないでおいた。

「あっそ、そこ置いといて」

ありがとうとか言わないんだ・・・。

「うん」

一瞬寂しそうな目をした実梨ちゃんは

こっちを見た。

私は微笑むことも出来なかった。

だってすごい目つきで睨まれたから。

「おい」

ドアを開けて出て行こうとする

実梨ちゃんを西崎秀は呼び止めた。

「なに?」

嬉しそうに振り返る。

「明日からは来なくていいから」

機械をいじりながら顔も見ずに言った。

「・・・わかった」

下を向いて出て行ったんだ。
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