チャットは運命 【実話】

陸上記録会当日。

競技場について私は放送委員の仕事を

するためにみんなとは違うアナウンス室

という所に行った。

「おはよ」

「あ、おはよ」

ちゃんと顔を見てあいさつ出来ないのは

君のせい。

ジャージを着てるといつもと違って

余計にかっこよく見えてしまう。

今日の西崎秀は気合が入っているのか

耳にかけた髪をピンで留めていた。

男のくせにピンがよく似合う。

「二つ結びかわいいじゃん」

ドキッ。

普段髪を結ばない私は耳を出すのも

久しぶり。結ぶのなんか小学生以来

かもしれない。

「はは、やめてよ。照れるなぁ」

恥ずかしくて俯いた。

(あの二人付き合ってるのかな?)

え?

(あ、聞こえちゃったかも。行こ)

「あー、あぁゆうの気にしなくて

良いからね」

西崎秀は私から視線をはずして

そう言った。

「今の後輩だよね?1年生でしょ?

なんなの?噂でもあるの?」

今、1年生がアナウンス室を覗いていた。

私はなんだか怖かった。

付き合ってもないのに、そんな噂が

広まったら絶対西崎秀に迷惑がかかる。

そんなの絶対に嫌だ。

「んー俺もよくわかんない」

西崎秀はそんなに気にしていない

のだろうか・・・。
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