チャットは運命 【実話】

「あ、あたし荷物置いてくる」

「ん、おぅ」

なんだか苦しくなって私は部屋から

飛び出した。

誰?噂なんか流したの・・・。

クラスごとにまとまっている

観客席に着き、自分の席につこうと

したそのとき沙綾に声をかけられた。

「ねぇ、鈴音!さっき1年生が4人

くらいでここ来たよ」

私はびっくりして言葉が出なかった。

「・・・」

何も言わない私に沙綾は慌てて付け足す。

「あ、別に普通だったよ?

キレてるとかそーゆうんじゃなくて・・・」

沙綾も黙り込んだ。

顔色を伺うと何かを言おうか

言わないか躊躇している様だった。

「ん、なに?」

「知ってるかもしれないんだけど・・・」

そこまで言ってまた言葉を濁らせる。

あぁ、沙綾も知ってるんだ。

きっと西崎秀のこと。

「あ、沙・・・」

「鈴音ファンクラブとか

あるみたいだよ!!」

・・・?

私は余計に何も言えない。

何の話かもわからない。

「あ・・・やっぱ知ってた?

あはは。そりゃ本人だもんね!

私びっくりしちゃって。

学校でファンクラブとかマンガの中

だけだと思ってたから。

いや、なんか鈴音が高嶺の花ってゆうか

まぁ、かわいいから出来てもおかしく

ないとは思うんだけど」

「沙綾!」

止まらなくなった沙綾を止めた。
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