チャットは運命 【実話】
「いったぁ・・・」
頭が真っ白になって数秒立ち尽くして
しまった。
私、何かしたのかな。
何であんなことしたの?
昨日まで笑って話してたじゃん。
お家呼んでくれたのに。
なんでなの?
意味がわからなかった。
何も考えられなくて、ボーっとしながら
アナウンス室に向かった。
様子がおかしい私に気がついたのか
西崎秀は私の目を真っ直ぐ見て言った。
「大丈夫か?」
・・・何が?
何か話していたわけでもないのに
突然そんなことを言われて驚いた。
きょとんとした顔で西崎秀を見ると、
「いや、なんか元気なかった・・・よ?」
そう言って視線を逸らす。
何にも言ってないのにわかるんだ・・・。
言いたかった。つい数分前の出来事を。
でもそんな事を言ったら西崎秀は余計に
実梨ちゃんを嫌うのだろう。
私は実梨ちゃんをかばったわけではない。
また実梨ちゃんに何かされるのを恐れ
言えなかっただけだ。
「全然元気だよ」
心配かけるのも嫌で私は笑った。
その後の事はあまり覚えていない。
実梨ちゃんにあんな事をされたのが
私には衝撃的すぎて競技中もその事で
頭がいっぱいだった。
それでもクラスの人達の足を引っ張る
のはもっと嫌。
私は100m走で学年2位。
長距離走で学年4位。
選抜リレーで1位をとった。