大切なもの。
うぅ...恐いよぅ...

私の方、見てるのかな...

ちょっとチラ見しちゃえ!!

うッ。目が合ってしまった...!!

終わりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。

だ、誰かぁぁぁぁぁぁぁ!!!

そう思っているうちに
不良の中の
さっき目が合ってしまった人が、
私を見て

「キミってY高校の子だよね?」

と聞いてきた。

は?私?制服見て分かんないの?

...とは思ったが、

「私...ですか?」

丁寧に言った。

向こうも

「そう。私。」

と言い返してくるので
後戻りは出来ない。

私は正直に

「そうですけど...
制服見て分かんないんですか?」

そうハッキリ言ってやった。

スッキリ!...と思ったのもつかの間。

ぁ...

私、話し相手は不良だったっていうこと、

すっかり忘れてた...

しかし、話し相手の不良は

「別に分かんないことはないけど、
こっちのことを見てきたのって
そっちだろ。」

「ぁ...」

そうだった...

あっちのことを最初に見たのって

私だったっけ...

「『ぁ...』じゃねーだろ!!
今の時間見てみぃ!!
初日から遅刻すっぞ!」

うわぁ!

もうそんな時間?!

私は猛ダッシュで学校へ向かった。


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