好きだって言って?
00.プロローグ


───────────
────・・・


あたし、天宮瑠羽(アマミヤルウ)は
ほんのさっきまで、中学の始業式を“迎えようとしていました”。



ん??

どうして過去形か、だって??

そりゃー意味があるからに決まってます。




あたしが今まで通ってきたのは公立の中学校。

校舎はボロくて古い学校だったけど、
友達もみんな優しくて、あたしにとって大切な場所だった。




なのに────・・・・




「天宮瑠羽、その場に立ちなさい」




そんな先生の声が聞こえたと思ったら、
黒いスーツ姿の人たちに体育館から摘み出されてしまった。



へ?? 

なんで??



わけがわからない。




なぜか、始業式で“強制退場”させられた。
しかも、少し強引だった気がする。



第一に、強制退場させられるような問題は一切起こしていない。
いくらあたしでも、そんなヘマはしない。
って言うか、問題を起こしたことすらない。




摘み出されたあたしがスーツ姿の人たちに連れて来られたのは、校長室。







< 1 / 87 >

この作品をシェア

pagetop