好きだって言って?
その声に反応し、顔を上げた先にあったのは、“男の顔”だった。
それも、かなりの美形。
大きすぎず小さすぎなず、二重なのにキリっとしている眼。
なんだか吸い込まれてしまいそうなきれいな瞳。
鼻筋も通っていて、形のいい唇。
髪の毛は天然モノなのか、染めたのか分からない程度のサラサラな茶髪。
世に言う“イケメン”と言うヤツだった。
「え、あ、す、すみませ────」
謝ろうとするあたし。
慌てふためく様子のあたしにこの男はフッと口角を上げた。
「・・・へ??」
思わず変な声が出てしまった。
「あんた・・・かわいいね??」
────ッッ!!!!
何を言い出すんだこの男は!!
初対面に向かっていきなりの褒め言葉。
それに、こんな整った顔をしていて、どう考えても遊び人だよね・・・
さっきの様子だと喧嘩も強い。