好きだって言って?






ひぃぃぃいい!!!!!


初めてこんな風に男の人に近づいたあたしは、心の中で悲鳴とも言える声をあげた。






「ちょっ!! 何するんですか!! 離してくださいっ!!」



「無理」




そう言って、あたしの後頭部に手を回すこの男。

そのまま力を入れられ、この男の胸板にほっぺがぴったりくっつく体勢になってしまった。

ほのかに甘いにおいが鼻をかすめる。





こんな体勢、こんなにおい、すべてが初めてで、あたしは自分の頬が赤くなっているのが分かった。

そのとき、この男が背をかがめてあたしの顔を覗き込んだ。






あ・・・・・





見られた・・・・・









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