好きだって言って?
「何泣いてんの??」
ようやく離れた唇。
男はその直後、聞いてきた。
その整った顔を平然と澄まして。
「ファーストキス・・・・」
あたしは、消えてしまいそうな小さな声で言った。
その間も、涙は頬を伝って流れる。
「ふーん」
それだけかよ!!
心の中で突っ込みたかったけど、気分はそれどころではなかった。
そのとき、後頭部を抑えていた男の手に力が入った。
この男の腕があたしをギュって締め付ける。
「悪い、抱きしめさせて??」
「え・・・・」
あたしの了解も得ずに、さらに力を込めるのを感じた。