好きだって言って?
「おぉっ黒沢、遅刻だぞ??」
「...」
「っ...」
ヤツが...来てしまった。
唯一、おんなのあたしを見たことあるヤツ。
ここは修羅場と言っていいような気がする...。
ヤマケンの言葉に返事をしずに、ヤツは自分の席へと歩き出した。
...教卓の前に立つあたしの横を通る。
その時、
目が...合ってしまった。
そりゃーもう、バッチリと。
残念なくらいしっかりと、ね...
「...」
「っ!」
私はあわててそっぽを向く。
って、こんなことしたら、余計に怪しいじゃんっ!!!
...なんて考える余裕は一切なくて。
正反対の位置に顔を向けたその時、
「ふっ...」
っ!!!???
な、な、な、何!?
今、ヤツはあたしを見て笑ったよね??
...それも、鼻で笑った。
なんだか分からない屈辱と...
正体がバレてしまったのではないか...
という心配が、渦を巻いてあたしの心にやってきた。