-roop-

私の答えが、正解だったのか不正解だったのかは分からない。

それが分からないように振る舞う誠さんの優しさが、胸に染み込んだ。



私が本当の千夏さんを意識していること…。

誠さんを喜ばせようと言葉を選んでいること…。


それを全部全部包んでくれるような優しさ。

真っすぐにぶつかってくる誠さんの想いに熱くなる胸の鼓動を、私は必死に押さえ込んだ。



ふとUFOキャッチャーのガラスに映る二人の顔。

少年のように目を輝かせる男の人と…その隣に映る女性の姿。


もし彼の優しさが本当の私に向けられたものだったなら、どれほど楽だっただろう。

常に罪悪感と申し訳なさに付きまとわれ、その中に見え隠れし出しす甘い感情。



……甘い…感情………

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