-roop-
メダルゲームや、シューティングゲーム。
それから二人で一緒にいくつかのゲームをした。
誠さんはUFOキャッチャーの時以来、私に選択を求めなかった。
次はあれしよう、今度はあれしよう
嫌味一つなく、笑顔で提案してくれる。
くだらないことで笑い合った。
笑い合えた。
でも、それでもやっぱり…時々、彼を騙している罪悪感に襲われる。
ガラスに映る千夏さんの姿に何度も胸が痛んだ。
「おっ!千夏!プリクラは?嫌?」
……プリクラ……
はっきりと見せ付けられるであろう…誠さんの隣に並ぶ千夏さんの姿。
偽物の恋人の隣で嬉しそうに笑う誠さんを見れば、ますます自分の心は罪悪感に押し潰されてしまうだろうと思った。
誠さんが喜べば喜ぶほど、私は嬉しい。
でも…私じゃない。私じゃない。
彼が笑って喜ぶべきは私じゃない。
だって私は貴方を
騙しているのだから………。
恋しくて恋しくて、だけど会えない。
約束すら守れなくて、でもどうしても守りたくて、赤の他人の私に頼んだ千夏さん。
霧の世界で私を待つ千夏さんに、彼に対して少しでも甘い感情を持ってしまった罪悪感を感じた。
二人への罪悪感に苛まれながら、私は明るい声を絞り出す。
「………うん!撮ろう!プリクラ!」