-roop-
出来上がったプリクラには、7月22日の日付が刻まれていた。
約束の日まで、式を挙げる日まで私が霧の世界に戻る日まで…
…あと5日…
千夏さんとの約束を…
式の約束を…果たさなければ…。
分かってはいるのに、何故か言い出せなかった。
きっと私は罪悪感に苛まれながらも、千夏さんに向けられている誠さんの深い優しさを、自分に向けられたものだと思っていたかったのだろう。
けれど、そんなことが許されないのは痛いほどに分かっていた。
誠さんが好きだとかそういうのではなくて、きっと私は…
…寂しかったんだ……。