-roop-
芽生えた想い
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近くのファミレスで夕飯を済ませ、再び車に乗り込む頃には、もう空に小さな星が顔を出し始めていた。
暗くてあまりよく顔が見えず、出発した時ほどの緊張感はなかった。
むしろ一日中一緒にいたからか、安心感に近いものが芽生えていた。
シートベルトをはめながら、誠さんが私をチラッと見た。
…微かに震えた心。
私じゃない。
私じゃない。
彼が見ているのは私じゃない。
此処に来てから何度そう自分に言い聞かせただろう。
「夜景…見に行ってみようか」
「え?」
「なんか…このまま帰るのもったいねぇなーと思って。ほら、今日は星も綺麗に見えると思うよ?」
そう言いながらフロントガラスから空を見上げる。
「な?」
凜と澄んだ
紺色の空。
「…うん」
「よしっ!じゃあ出発!」
また誠さんの指がしなやかにハンドルを滑り出す。
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近くのファミレスで夕飯を済ませ、再び車に乗り込む頃には、もう空に小さな星が顔を出し始めていた。
暗くてあまりよく顔が見えず、出発した時ほどの緊張感はなかった。
むしろ一日中一緒にいたからか、安心感に近いものが芽生えていた。
シートベルトをはめながら、誠さんが私をチラッと見た。
…微かに震えた心。
私じゃない。
私じゃない。
彼が見ているのは私じゃない。
此処に来てから何度そう自分に言い聞かせただろう。
「夜景…見に行ってみようか」
「え?」
「なんか…このまま帰るのもったいねぇなーと思って。ほら、今日は星も綺麗に見えると思うよ?」
そう言いながらフロントガラスから空を見上げる。
「な?」
凜と澄んだ
紺色の空。
「…うん」
「よしっ!じゃあ出発!」
また誠さんの指がしなやかにハンドルを滑り出す。