-roop-
少し登ると、小さな公園のような展望台に着いた。
「う…わぁ…」
私は思わず広場の端にある手摺りに駆け寄る。
目の前に突然現れた満天の星空。
夜空に細やかに散りばめられた無数の小さな光。
漆黒の空では、どんなに小さな星でも大きく輝いているように見えた。
「き…れー…」
思わず息を飲む。
視界いっぱいに広がる宇宙に、私は現実を忘れそうになった。
「うわー…すげぇな…」
私の隣にそっと寄り添って呟く誠さん。
小さな虫の音以外、何も聞こえない澄んだ世界で、彼の声が私の胸に響いた。
少し下を見下ろせば、星の輝きに負けまいとばかりに、きらびやかな街並みがその存在を主張している。
視界の中でチカチカと揺れる星の光と街の明かり。
まるで空と街に境界が存在しないかのように、視界全体が輝いていた。