-roop-
近付きたい4日目
移ろふ目的
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「んじゃ、会社行ってくるよ」
靴を鳴らしながら、誠さんは私に笑顔を向ける。
スーツに身を包んだその姿に、煙草をふかす誠さんを見た時のような…大人の男性を感じてしまった。
「うん、いってらっしゃい」
私も精一杯の笑顔を向ける。
すると、彼もそれに応えるように笑った。
その笑顔が、今までのような安堵から生まれたものではなく、心から溢れたもののような気がして素直に嬉しかった。
「じゃあ、もし何かあったらすぐ電話して?いい?」
「うんっ」
ガチャッ
私の方を振り向いたまま誠さんはドアを開けた。
半分だけ開いたドアから、明るい夏の日差しと蝉の鳴き声が飛び込んで来る。
「6時までには帰って来るから。そしたら何か旨いもんでも食いに行こう?」
「うん、分かった、待ってる。」
誠さんは私の返事に白い歯を零す。
キィ…
バタン…
片手を上げながら、誠さんはドアの外の世界へと消えていった。
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「んじゃ、会社行ってくるよ」
靴を鳴らしながら、誠さんは私に笑顔を向ける。
スーツに身を包んだその姿に、煙草をふかす誠さんを見た時のような…大人の男性を感じてしまった。
「うん、いってらっしゃい」
私も精一杯の笑顔を向ける。
すると、彼もそれに応えるように笑った。
その笑顔が、今までのような安堵から生まれたものではなく、心から溢れたもののような気がして素直に嬉しかった。
「じゃあ、もし何かあったらすぐ電話して?いい?」
「うんっ」
ガチャッ
私の方を振り向いたまま誠さんはドアを開けた。
半分だけ開いたドアから、明るい夏の日差しと蝉の鳴き声が飛び込んで来る。
「6時までには帰って来るから。そしたら何か旨いもんでも食いに行こう?」
「うん、分かった、待ってる。」
誠さんは私の返事に白い歯を零す。
キィ…
バタン…
片手を上げながら、誠さんはドアの外の世界へと消えていった。