-roop-
「……本当に……嬉しかったんだ……」
伝わりすぎるほどに伝わっていた。
誠さんにとって、千夏さんがまた自分のために料理を作ってくれたことが、どれだけ嬉しかっただろう…?
覚えられてもいないのに…突然想いを突っ走らせて家に連れて来てしまった…
『俺のこと…怖くない…?』
そんな自分にまた夕飯を作っていてくれたことが…どれだけ誠さんの胸に熱く染み込んだのだろう。
少しでも私が…
今の千夏さんが貴方を想っていると伝わったのなら…
それでいい…。
そうしてあと4日後には、誠さんに気を遣わせることなく二人の最期の約束が果たせればそれでいい。
そして私は…
地獄なんて行かないで済むんだ…。
それでいい…
それでいいんだ…
「千夏…」
「…?」
「…少しだけ……抱きしめてもいい………?」