-roop-
触れたい5日目

震える背中

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青いカーテンのほんの小さな隙間から零れる日の光。

私はゆっくりと目を開けた。

枕元で座るうさぎのぬいぐるみを撫でて、私はベッドから起き上がっる。




カチャ…

ドアを開けてリビングに入ると、誠さんの姿はなかった。

布団も綺麗に片付けられている。


「あ…れ……って嘘…!」


時計の針は午前10時を指し、誠さんはとっくの昔に家を出て会社に向かっていた。



「やっ…やだどうしよ…っ」


オロオロとリビングを徘徊する。

早く起きていたとしても、特に自分に役目があるわけではない。


けれど、一緒に遅くまで起きていた誠はちゃんと朝早く起きて仕事に向かったのにと思うと、申し訳なかった。

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