-roop-
窓から零れる夏の日差しは日々強くなっている気がした。
今日で私が千夏さんになって5日目…
私が此処にいられるのも…あと少し…
抱きしめてもいいと
そう言ったのに私に触れなかった誠さん…
狂おしい彼の表情が、脳裏に焼き付いていた。
本当は愛しい人を抱きしめたい
腕の中に閉じ込めておきたい
温もりを感じていたい
はずなのに
誠さんは自分の想いより千夏さんを優先した。
あの時…無理矢理にでも抱きしめて欲しかった。
無理矢理にでも抱きしめてくれれば良かったのに。
痛いくらいに向けられた貴方の千夏さんへの優しさが…
こんなにも私を締め付ける…。