-roop-
私の心から溢れた想いはひとつの言葉になり
空気を伝って貴方の耳を通って
そして心に届く…
直接心に入り込めなくても
どんなに遠回りになっても
ただ貴方の心に伝わるのならば…それでいい…
千夏さんの声であっても
『私』の想いが貴方に届くのなら…それでいい…
「誠さんが……好き……っ」
「千…夏……っ」
誠さんの表情が、感情に高ぶっていく。
その瞳から溢れるものにただ胸が熱くなった。
『もう一度好きになって』
『そしたら』
『結婚しよう』
「千夏…それ…本当…?無理なんて…」
「無理なんてしてないよ…?」
誠さんの言葉を遮って、私は笑顔を作って言った。
「私はもう……無理なんてしてないよ……!」
「千…夏…っ!」
また胸の中にギュッと閉じ込められる。
ずっとずっとこのままで居たいと
心の底から願った。