-roop-
いつもこの許されない想いを押し殺してきた罪悪感も、
もうこの溢れ出した熱い想いを押さえることは出来なかった。
まるで自分の中に押し込むように…
ひとつになるように…
強く強く誠さんは私を抱きしめた。
そして、震える声で囁く。
「……結婚しよう……?」
果てない誠さんの想いは千夏さんのもの。
けれど今の彼の声と温もりだけは…私のものだと思いたかった。
「…海………行こうか…」
「え……?」
誠さんは優しく私の肩を抱いて、ゆっくりと身体を離した。
「明日の夜…俺の仕事終わってから……海…行かないか…?」
--『二人が初めて想いを伝え合った日にその海で…結婚式するの』--
「え…明日で…いいの…?結婚……」
だって二人の想い出の日はあと3日後なのに…
「千夏……お前……」
「……?」
「……海…に行こう…って…だけなのに……何で…結婚って…」
「……っ!」
私は思わず口を塞いだ。
そ…うだ…
海で二人だけで結婚式するというのは千夏さんに聞いた話…
誠さんからその話はまだ……っ
肩を掴む誠さんの手に力がこもる。
「千夏!何でっ…何で俺たちが海で式挙げる約束してたこと…っ」
「……っ」
ど…
どうしようっ…
なんて…何て言ったら…!!