-roop-
溢れ出す6日目

星見ヶ浜

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千夏さんと誠さんの想い出の海に行くと約束した6日目が、早くも夜を迎えようとしていた。



『こんばんは。7月25日水曜日の夕方6時のニュースをお伝えします。まず最初のニュースは…』


…7月…25日……



二人の約束の日が、早くも明後日に迫っていた。

二人の約束が果たされるその瞬間、

私は…この身体から出ていかなくてはならない。


誠さんと…離れなくてはならない…。



昨日あんなに雨を降らせた空と同じものだとは思えないほどに、空は晴々としていた。

窓の外は、まだ明るく、季節が夏の真ん中であることを感じさせる。

もう目に慣れた、あの跡を隠すポスター。


それが視界に入ったときの胸の痛みが微かに減っているのは

気のせいだろうか。





『誠さんが…好き……』




千夏さんの身体を超えて溢れ出してしまった

本当の私の本当の気持ち…


許されないのならばそれでもいい。

叶わないのはもう嫌なほど知ってる。

ちゃんと分かってはいるのだから…。


そう思えば少しだけ自分の想いに自信が持てるような気がした。



ただ横に並んで眠っただけ。

ただ傍でその存在を感じていただけ。



寝返りを打って私の目の前になった愛しい寝顔に

何故か泣きそうになった。


ただ

それだけ…。
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