-roop-
--マエノチナツナラ
ソンナコトイワナカッタノニ--
じゃあ前の千夏さんって、本当の千夏さんってどんな人?
どうすれば良かったの?
何て言えば良かったの?
ずっとそんなこと思ってたの?
本当はいつも…そんなこと思ってたの?
前の千夏ならこんなこと言わないのに
前の千夏ならこんなことしないのに
前の千夏ならすぐに抱きしめられるのに
前の千夏なら一緒にあの煙草が吸えるのに
前の千夏なら
前の千夏なら…
「……っく……」
当然だよね。
私は千夏さんじゃないんだもの。
赤の他人なんだもの。
でも…それでも優しくしてくれたじゃない…。
そのままでいいってて…そう言ってくれたじゃない…。
貴方が辛くて抱きしめた雨の夜は…あんなに喜んでくれたじゃない…。
あぁもう…
突き付けられる事実は、いつだって痛いくらいにこの胸を粉々に破壊していく。
分かってるのに、分かってるからこそ…いざ言葉にされるとこんなにも苦しい…。
苦しいって
辛いって分かってるから分からないふりをして隠しているのに
私はどうしても
千夏さんには…千夏さんとの想い出には
敵わない…