-roop-
「私がいったい何をしたっていうのよ!私は…私は…!
そっそうよ、私はどんな顔をしてる?!極悪人みたいな顔してる?!まだきっと十代後半くらいよね!そんなはずないじゃない?!…ねぇ!!」
私は泣きじゃくりながら彼女に掴みかかり、その肩を激しく揺らした。
自分が誰なのか、自分がどんな人間なのか分からない。
でも、ここでこうして叫んでいる自分は
体の底から湧き出てくるこの感情は
…紛れも無く本物なんだ。
覚えてなくても
分からなくても
現世を生きていた自分だって
本物の私。
現世のことは分からないけど、現世を生きていた私は、決してこの私と他人なんかじゃない。
その私が…大罪を働いたなんて…!
いくら自分のせいだと言われても、記憶がなければ
私にとっては他人のせいであるのと変わらない。
どっかの知らないやつのせいで、私の魂は永遠に孤独のまま…
闇をさまよい続けなくてはならないんだ。