-roop-

震える心の中から、誠さんの言葉を補うように言葉を紡ぎ出す…。


「…私は……いじめに……遭ってたのね……?」


私がそう言うと、誠さんは悲しそうに…でも大丈夫だからと安心させるように

優しく…優しく頷いた。



「あの日……俺が来なかったら…………飛び降りてたって…お前………っ……」



誠さんに逢えなかったら…貴方に逢えなかったら千夏さんは居なかったのね…?

此処にこの身体は……なかったのね……?


私は誠さんにギュッとしがみつく。



「……でも……貴方が……誠さんが……救ってくれたのね……っ……」



貴方が…

貴方が救ってくれたのね…


自然と涙が…想いが…言葉が溢れてくる…





「ありがとう…っ…」


「千夏……っ」


ありがとう…

ありがとう…


身体が言ってる…千夏さんが言ってるよ…?





…誠さん…ありがとう………

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