-roop-


初めて逢った日…

握り締められた手に驚いて……




『ちょっ…あのっ…』

『あっ…ごめん!…はは…そっか…そうだよな…』




つい手を離してしまったね…


その手を…今はこんなにもしっかりと握っているよ…?



ねぇ…

短い間だったけど…色んなことがあったね…



ねぇ…誠さん



『私』が

目を覚まして良かった…?



そう私が尋ねたら

きっと貴方は白い歯を零しながら



何言ってんだよって

当たり前だろって


言うんだろうね…






貴方の言葉に

温もりに

…存在に


どれだけ救われただろう…?






許されない恋でした

騙したままの恋でした


でも

この気持ちは

嘘なんかじゃないよ?



身体が

魂が消えても


確かに

揺らぐことなく



在り続ける想い…







明日は…晴れて

綺麗な星が見えるといいね…



千夏さん

貴方と交わした約束を…




明日




果たすからね……











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