-roop-
怖い…怖いよ離れるのが…。
離れなきゃいけないのは最初から分かっていたはずなのに…
どうして…どうしてこんなにも好きになってしまったんだろう…。
「誠さんっ………」
私はぬいぐるみをギュッと抱きしめた。
カタンッ
その時、後ろのクローゼットから小さな物音が聞こえた。
「………?」
閉じたままのクローゼットの奥。
そういえば…此処を開いたことはなかった…。
…ドクン…
…ドクン……
何故か勝手に鼓動が早くなる…。
…なに…何…?
クローゼットの奥から……何かが私を呼んでいる…。
此処を…此処を開けてと叫んでる…。
私はぬいぐるみを枕元に戻し、涙を拭って立ち上がった。