-roop-
『誠さんへ
勝手に居なくなることをどうか許して下さい。
約束を果たせないことをどうか許して下さい。
貴方を嫌いになって此処を去るわけではありません。
結婚が嫌で逃げるわけでも、もちろんありません。
貴方のお嫁さんになりたい。
温かい家庭を築きたい。
その想いは決して変わりません。
でもね、駄目なんです。
私には、今の千夏には貴方のお嫁さんになる資格はありません。
貴方を、傷付けることしか出来ません。
貴方と過ごしたこの8日間、本当に幸せでした。
何も知らない私を、煙草も吸えない私を、違う呼び方で呼ぶ私を
貴方は、十分過ぎるほどに愛してくれました。
千夏は、とてもとても幸せでした。
どうか
どうか幸せで…
幸せであって下さい…。』