-roop-
私が此処に来てから時間が止まっていたカレンダー…。
7月27日の前日までを…26日までの日付を黒いペンで消した。
止まっていた時間を動かすように、ひとつひとつ消した。
どうか…どうか前に進んで欲しいと…
止まらないで欲しいとそう願いながら消した。
写真とカレンダーと、そしてビデオテープを箱の中に入れて、またクローゼットの奥にしまった。
一緒に私の想いも、クローゼットの奥にしまいこんだ。
鞄の中にあのぬいぐるみを入れようとして止めた。
どうしてかは分からないけれど…連れていってはいけない気がした。
最期に…もう一度部屋の中を見渡す。
誠さんと千夏さんが小さなソファーで煙草をふかしているのが
見えた気がした…。