-roop-

一人の海

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大通りに出てタクシーを拾った。

「どこまで行かれますか?」


どこまで…?

どこに…どこに行けばいいのだろう…。

もうあと少しで消えゆく私は…一体どこに行けばいいのだろう…。




「…お客さん?」


「星見ヶ浜まで……星見ヶ浜までお願いします……」


最後に…最期にもう一度そこに行きたいと思った。


誠さんが千夏さんに想いを伝えて、そしてプロポーズした場所を…

二人の…私たちの想い出の場所をもう一度だけ…




心に刻みたかった…。
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