-roop-
身体を焦がすように照り付ける太陽。
なのに心が凍えるように寒い…。
貴方が隣にいるのに慣れてしまったから…いま独りなのがこんなにも寒いよ……。
「ごめんね……千夏さん……約束守れなくて……」
あと数時間でこの身体には…千夏さんの身体には限界が来る…。
そして罪にまみれた私の黒い魂は……
あぁ…むしろそれでいい…。
全てを奪われて、気が狂ったように地底をさまよう愚者にでもなれば、むしろ…救われるのかもしれない…。
どうせ初めから記憶なんてなかったんだ。
どうせ初めから想い出なんてなかったんだ。
そう、ただ最初の状態に戻るだけの話じゃないか………。
何も怖れなくていいじゃないか。
ただ…あの人の声と、あの人の顔と、あの人の温もりを忘れるだけの……
「……っ……」
浜辺に、崩れるようにして泣いた。