-roop-
「バカやろ…っ……お前……俺がお前なしで幸せになれるわけ…ないだろ…?」
クシャ…
耳元で紙を握り締める音がした。
--どうか幸せであって下さい--
「手紙……読んでくれたの……?」
「…何だよ…最後のあれ……勝手に……真似して…っ……」
私は少し笑って、震える背中をギュッと…抱きしめた。
「なんか……嫌な予感がして…家に電話してもお前出ないし……っ……」
誠さんは私の肩を強く掴んで、身体を引き離す。
そして痛いくらいに私の瞳を見つめながら言う。
「…千夏…言ったよな俺…今のお前も…愛してるって……」
「……っ……」
たまらず私は視線をそらした。
「……千夏……っ!……ちゃんとこっち見ろよ…!!」
誠さんが搾り出すようにそう言いながら私の肩を強く揺らす。
見れない…見れない……。
貴方の想いはあまりにも真っ直ぐすぎて…
真っ直ぐにそれが…千夏さんに向かっているのが分かるから……
分かるから…
「……千夏っ…千夏…頼むから…頼むから逃げないでくれっ………」
誠さんは私の両肩を掴んだまま、何かをこらえるように俯いた。
私は涙をこらえながら…必死に言葉を紡ぎ出す…。