-roop-

「誠さん……仕事は…?」


私がそう呟くと、誠さんはフッと笑った。

小さな吐息を感じて、胸の奥が熱くなる。



「……知らねぇ…」


微笑みながらそう零す誠さん。


「今日は……仕事より何より…大切な日だから…まぁ…会社も分かってくれるだろ!」


子供のような無邪気な笑顔…


あぁ…

思えば…貴方に一番最初に惹かれたのは

このあどけない笑顔だった…。



くしゃくしゃになる目元…零れる白い歯…

なのに突然大人の男性の表情に戻ったりする…。


優しく強く…そして時に脆くて壊れそうになる…。




全部全部

好きでした…。




貴方の全てを…………愛していました…。
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