-roop-


「…おぉ…ぴったり…」


照れながら私に左手を向ける誠さん。


「…当たり前じゃない……っ…」


二人で…一緒に買いに行ったんだから……。


私は涙を流しながら笑う…。


再び誠さんが私の左手に触れる…。

銀色に輝く指輪が…私の…千夏さんの薬指に近付いていく…。






『俺……………柏木…誠だけど…』



『無理して思い出そうとか…しなくていいから…俺は……俺はずっと側にいるか
ら……』



『だから…一緒に帰ろう…?』



『試合ってのはなぁ、最後の結果が大事なのっ』



『ほら千夏!もっとこっち来ないと映らねぇぞ!』



『千夏が……目を覚ましてくれて…本当に…むちゃくちゃ嬉しい…』



『…んまい……これめちゃくちゃ旨いよ!』









『…今のお前も………俺の生きる理由だから……』
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