-roop-

身を投げようとした私を…救ってくれた…



『誠を愛したことを……忘れないでね……』




今頃…何処か遥か彼方で…違う世界で千夏と誠さんは…

ううん……


私と誠さんは…お揃いの指輪をはめて…

同じ煙草をふかしているのだろうか……。





キィ…


「………っ」

突然開いた屋上の扉。





嘘…





『初めて逢ったのは……学校の屋上だったんだ……』



「あれ…?どうし…」


「…っ…わぁぁぁあーーー!!!」


涙が…想いが…止まらなかった…。



少し髪が茶色いけれど変わらない…。

声も、目も…ねぇ…変わらないね…。



『俺の顔見たら……お前…ますます泣き出して……何…泣いてんのかなぁ…って…思ったら……っ』



このことだったの…

このことだったのね…誠さん……。
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