-roop-
時間は巡り巡る…。
私の前で。
私の背後で。
私の傍で。
そして…遥か彼方で。
私が感じることができないところでも…
時間は巡り…巡っている…。
ポケットには、残り僅かな赤いマルボロ。
誠…
どうか過去の私を…
あの時みたいに愛してあげてね……。
目をこらせば、白い霧の中にゆったりと浮かぶ一人の少女。
私は近付き、自分と同じ顔をした少し幼い少女に声をかける。
私があの時…
初めて此処に来た時に…
彼女からかけられたのと
同じ…
言葉を…
「ねぇ…聞こえる…?」
-END-