-roop-
彼女の瞳は私を信じていた。
何もない私を、彼女は信じていた。
自分のためだけに受けた依頼だったはすが、私は少しだけ彼女に信頼に応えてあげたいと思うようになっていた。
きっと彼女は本当は辛くて辛くて仕方ないんだ。
本当なら何を犠牲にしたって、自分が彼と式を挙げたいに決まってる。
なのに…例えそれが自分ではなくても約束を果たしたいという想い。
「八日後…指輪を交換した時……約束が果たされたとき……また此処で会いましょう…」
「…っ!?」
彼女の声が鈍く頭に響いた。
頭の中の奥の奥に響き渡り、次第に視界が歪んでいく…
微かに見える彼女の姿がグルグルと視界の中を回って…
気持ち悪くて苦しくなって
私は…
意識を失っていった。