-roop-

罪悪感

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コンコン



「俺……………あの…柏木…誠だけど…」


扉の外で低い声が響く。



---いつもなら『俺』だけで通じるのに…---

『俺』の後の長い空白はまるでそう語っているようだった。




カラカラカラ…


ゆっくりと開いた扉からは入ってきた彼は、優しい笑顔を浮かべていた。


「…身体……大丈夫?」


静かに問いながら、私のベッドの隣の小さな椅子に腰かける。


「…大丈夫…」


「そか……」


小さく笑った彼の目が真っ赤に腫れていた。



きっとあの後も…たくさんたくさん泣いたのだろう…



「…さっきは…その…ごめんな…」


「…?」


「なんかワンワン泣いちまって…」



照れ臭そうに笑う表情に胸が痛んだ。


笑うと目元がクシャッとなる。

この笑顔を思い浮かべて…あの時の千夏さんは微笑んでいたのだろうか。

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